歴史的政権交代に揺れた夏。社会情勢が混沌とするなかで、こんな時代だからこそ、変わらぬものを大切に持ち続け、一歩一歩、歩みを進めていかなくてはいけない。ここで働くすべての人たちが経営理念を共有し、明日からの闘いに挑むため、松川商事47期経営計画発表会は開催されました。

   社会が変化していくなかで、これからも松川商事は常に創意工夫と攻めの姿勢が求められます。かつて会社の会議室で行われていたミーティングが、いまでは50名を超える人数で経営計画発表会を行うまで成長しました。
 しかし、エリア拡大とともに、普段顔を合わせることの少ない方も増えてきました。それでも、働く仲間を信じて、一人ひとりが努力をする強い心の繋がりがあったからこそ、今のこの場があると思います。この経営計画発表会を有意義なものとして、激動の47期を乗り越えましょう。
 46期がスタートして間もなく、いわゆる「リーマンショック」に端を発する、未曾有の不況が日本を襲いました。あれから1年。報道などでは景気は底を打ったと言われていますが、まだまだ企業を取り巻く環境は厳しいと言わざるを得ません。  
当社も例外ではなく、一歩足を踏み外せば不況の波に飲み込まれてしまいます。明日はわが身。そうならないために、しっかりと地に足をつけた経営をしていかなければならないと考えます。
   46期も、店舗のリニューアル、店舗の「現場力」の向上、人財育成の3つに力を注いできました。7月に行ったブックオフ松江店のリニューアルの際、決起会の席で小学生のころからお客さんとして松江店に通っていた方が、今はスタッフとして働いている事実を知り、大変感動し、感謝の気持ちと同時に、現世代・次世代のお客様のために、店舗も永続発展していかなければならないと、身の引き締まる思いがしました。ぜひこの先も、10年先、15年先を見据えて、第3世代の人たちのために、働く目的、働く意義を継承していってください。
 さて、すでにスタートしている47期も、新規オープンを進めながら、引き続き既存各店舗の利益化を目指します。会の始まりに辞令交付式を行いましたが、これから新しく店舗責任者となる人たちは、当然不安もあると思います。しかし、シンプルに考えてください。あなたたちがやるべきことは2つ。QSCレベルの向上と人財育成です。迷ったら、6つの精進、フィロソフィの考え方に基づいて判断すればいい。事業目的をもう一度、頭の中で考えればいい。あとは仲間のために働けばいいのです。
 


私達の目指しているゴールは、そこに人の成長と店舗の成長が必要不可欠です。私達は常に「高い志」を持ち、エリア一丸となって日々取り組んでいきます。
良い店、素晴らしい店とは、地味な努力の一つ一つの積み重ねからできると思います。その積み重ねが、日々の労働の糧となり、その人自身の成長へと繋がり、やがて店舗の成長へと繋がっていきます。
 
周辺環境の変化や、研修生の受け入れなどにより、鳥取エリアは急速に変化しています。このような時であるからこそ、足元をしっかりと見つめ直し、確実に一歩一歩、歩みを進めていきます。
各店舗、互いに刺激しあいながら、競争意識を高めて常に努力をし続けなければなりません。しかし、ライバルであると同時に同じ理念の下で働く仲間であることを忘れずに、助け合い、共に成長していきたいと思います。
人間力を持ったスタッフを育成していくために、店長力の向上とスキルアップをしていかなくては、スタッフの成長はありえません。「経営理念の達成」を追求していくために、今期も走り続けます。
生産力の向上、日々の目標生産個数を設定し、スタッフを含む全員で、達成感、喜びを得られる環境を作ります。それを店舗に落とし込むことができる行動力が人間力の向上に繋がると思います。
 
6つの精進にある“誰にも負けない努力をする”を意識し伝えていきます。個人個人が自分自身を磨き続け、そこでの課題を店長、スタッフが共有できるようにしていきます。  
それにより、QSCのレベルのUPに繋げ、お客様に気持ち良くご利用していただくことのできるお店を目指します。
 
 

 私が松川商事に入社して2年半が過ぎました。内定をいただき、2月からインターンに入り、瞬く間に入社式の日を迎えました。そして、その日の夜行われた歓迎コンパで、私は軽率な行動をとってしまい、その席で松川社長から「会社を辞めてしまえ」と厳しい言葉をもらいました。当時の私は、歓迎コンパの意味、社長からのお叱りの言葉の意味がよくわかっていませんでした。あとになって考えてみると、この日のために忙しい中集まってくださった先輩社員の方々の思いを裏切る行為であったと気づきました。この日の出来事は、私の社会人としての意識の低さを象徴する出来事でした。
 研修生として半年が経ち、ブックオフ津山店への配属が決まりました。私はひと通りのことはできると思い込み「何とかなるだろう」と軽い気持ちでいました。まずは、「毎日の出し切り」が使命だと考え、「毎日の出し切りを実行することで、みんなもついて来てくれる、これだけ買取があれば、売り上げだってついてくるはずだ」と率先して働きました。しかし、しばらくするとスタッフが一人、また一人と辞めていき、スタッフの一人から、。「店長は何を考えてるのかわかりません。前の店長はもっと働いていました」と言われ呆然としました。「働いてない?そんなことはない。毎日朝から晩まで働いているのに」。そう思いながら、「真剣に店舗、スタッフと向き合っているのか」と、これまでにマネージャーたちに言われた言葉を思い出しました。今までの私の行動を振り返ると、ただ仕事をこなすだけで、スタッフとの関わりが薄く、スタッフにとって私は売り場に何となくいるだけで、店長としての仕事をしていないように見えていたのです。
 それから私は、スタッフともっとコミュニケーションをとろうと考えました。けれど、「みんなと楽しく仕事がしたい」「スタッフに嫌われたくない」という思いが強かった私は、仕事の本質からかけ離れた、ぬるま湯の中にいるようなコミュニケーションをとっていました。
 そんな中で、ある事件をきっかけに、瞬く間にスタッフとの信頼関係は崩れ去っていきました。いくら説明してもスタッフとの距離は離れていくばかりで、「信頼されていないところで仕事はできない」と、昼メン全員が辞めていってしまいました。私が思い描いていたスタッフとの信頼関係は幻にすぎず、当時の私は、その人に嫌われまいと本音でぶつかれずにいました。荒松マネージャーに相談すると、「高砂の言葉は軽いから伝わることも伝わらない。どれだけ正しいことを言ったとしても、重さがないんだよ」と言われ、初めてスタッフと真剣に向き合っていない自分に気づきました。学生時代の延長のままの意識で仕事に取り組んでいたのです。
   店長になって2年目が終わろうとしています。入社当時の考え方の甘さから引き起こした事態は取り返すことはできません。やめてしまったスタッフには、本当に申し訳ないことをしたと思います。6月に津山店のリニューアルを経験させていただき、改めて店舗にはスタッフはなくてはならない存在であることに気づきました。入社式のとき、社長にお叱りを受けた言葉を胸にとどめ、今後も店舗で活かしていけるよう努めていきます。
   

出し切りが、なぜスタッフのモチベーションを下げることになったと思いますか?
自分の中で、店の方向性がしっかりしていなかった。とりあえず、本を出せばいいやという感じで作業をしていたからだと思います。


スタッフとのコミュニケーションをとるために、いま心掛けていることは?
いまは一度考えてから、言葉に出すようにしています。スタッフさんにどうしたら伝わるかを意識するようになりました。
 
 入社式の日、「辞めてしまえ」と私に言わせたのは、あなたただ一人。なぜ言わせたか。あなた自身の社会人としての意識の低さしかない。あのときのことを、私はよく覚えています。
本気で「辞めてしまえ」と言っている。私がそう言っているのを、当時のマネージャーだった河知が、ワーワー泣きながら「私の責任です。申し訳ありません。許してください」と、何回も何回も謝った。なぜ、あのとき彼女が、必死に頭を下げて謝ったか。その姿を見て、残念ながら、あなたは何も学んでいない。
 店長になってから、いろんなことがありました。そして、マネージャーや周りの店長があなたに色々言ってくれた。「スタッフさんと真剣に向き合っているか」「真剣さをもっていなければ何も伝わらない」――いろんなことを言ってくれた。その言葉の意味は、あのとき必死になって謝った河知とまったく同じ。
結局、ここにいる、これから店長になる人、みんな同じだと思うけれど、店長として店舗に配属されたら、覚悟ができてなきゃいけない。店長って言ったって、人生経験少ないし、経験値が少ない人が事に当たっていくとき、覚悟ができていなきゃスタッフがかわいそう。罪を作りにいくようなもんです。仕事っていうのは、辛くて苦しいもんだわ。ましてやリーダーとして、面白おかしく楽しくなんて、できるわけがない。一番大事なのは、自己犠牲を払ってスタッフを守り抜く、そういう覚悟ができてなきゃいかん。あなたがやっているのは、あなたのための仕事。スタッフのためじゃない。  
   売り上げの取り方がわからないとか、コミュニケーションのとり方がわからないとか、そういったものの方法論とかは、これからトレーニングとかして学んでいけばいいが、それ以前の問題。今はできないかもしれないけれど、みんなで力を合わせて2年先、5年先、こうなりたい、こうありたい、このお店をこうしたい、そういった具体的なものがあなたの中にないようで、私は不安ですね。
 あなたは今、分岐点にきている。今日、私が言っていることを咀嚼して、腹に入れてやっていかないとダメになる。自分でそれを自覚すべきだ。自分ができていないのを自分で認めて、素直に聞いて、それを繰り返しやっていく。それがあなたの最大の武器。それしかありません。
 
 松川商事に入社して5年半が経とうとしています。入社当初の私は、人に怒られることを嫌い、それでいて人に認められたい、という自分のことしか考えてない人間でした。
研修生時代から、3店舗目のブックオフ滋賀五個荘店まで、「誰かのため」ではなく、「自分のため」だけに仕事を行ってきたと思います。
 何もかもうまくいかないなか、3店舗目の滋賀五個荘店で、一つの転機を迎えました。きっかけは、私が休みの日に、スタッフから保科マネージャーに入った一本の電話でした。「店長が何を考えているかわからない」「何を進言しても聞いてるようにはみえない」など、私に対しての不満だらけの内容でした。伝え聞いたときには胸が張り裂けそうな思いでした。保科マネージャーは真剣に怒ってくださいました。「滋賀のスタッフを不幸にするつもりか。お前がつくった壁なんだから、乗り越えられないはずないよな?」
 自分自身が苦手としていたスタッフと向き合うこと、そこから逃げていたことが、結果として壁をつくっていたのです。 翌日からお店に行くのが本当に怖かったです。このまま時間が止まってしまえばいい。お店に行くのか、それとも逃げるのか、とても葛藤しました。
 翌日、私は意を決し、努めて明るく出勤しました。スタッフ一人ひとりに今までの不備を謝り、これからの出直しを誓いました。しかし、それから約1か月はとても苦しかったです。話かけても浮かない表情で返ってくる言葉や、孤立しているような疎外感に心が折れそうになりました。遠くから聞こえてくるスタッフ同士の話し声に、「自分の悪口を言ってるのでは?」と被害妄想を抱くこともありました。
「今辞めれば、楽になるかな?」それでも率先して、「自分自身が動く」「他愛のないことでも声をかけていく」「笑顔を絶やさない」。この3つを自分に強く言い聞かせ、実践していきました。しばらく経ったある日、数名のスタッフが私に声をかけてくださいました。
「一緒に頑張りましょう」。
 私にとって何よりも救いの言葉でした。
そう言ってくれるスタッフのために、お店を良い方向にもっていかなくてはと、スタッフに毎月利益の出るお店にしたいと、明確な目標を話しました。思いを伝えると、スタッフもどうすればお客さまが来店されるか、どんな棚がお客さまにとって選びやすい棚なのか、など、一緒に考えてくれました。不穏な空気も少しずつ変わり、結果、ある月の売り上げを達成することができました。計画達成を伝えると、私自身も驚くほど、スタッフが喜んでくれました。私自身もスタッフが喜ぶ姿を見て、とても嬉しく思いました。同時に、目の前にいるスタッフ達を裏切ってはいけないと強く思いました。気がつけば、私自身もスタッフも同じ方向を見て働いていました。
 さぁ、これからというとき、滋賀五個荘店のクローズを告げられました。スタッフは涙を流し、それでも最後まで手を抜くことなく働いてくれました。送別会の席で、「ここにいるみんなと一緒に仕事ができて本当によかった。また滋賀に出店する機会があれば、またスタッフとして採用してくださいね」。スタッフの言葉を胸に、私は強い決意で堺新金岡店へ赴任しました。愛着のあったお店で働きたくても働けない、滋賀のスタッフの思いを背負い、滋賀で学ばせていただいたことをこれから先に活かしていくのが最大の恩返しになると、気持ちを入れ直しました。
 堺新金岡店では、部門担当制を導入し、スタッフ主導で動いてもらい、私自身がフォローアップする。同時に、スタッフに対し感謝の気持ちを伝え続けることを忘れないよう心掛けました。スタッフの努力が売り上げ数字に反映されるのに時間はかかりませんでした。赴任してちょうど1年後にあたる今年5月、堺新金岡店史上最高の売り上げを達成することができました。
 お店を飛躍させる上で大切になるのは、目の前のことから逃げない姿勢です。私はずっとスタッフから逃げ続けてきました。結果としてスタッフを不幸にしてしまいました。私は滋賀五個荘店で退路を断たれ、前に進むしかない状況で、初めてスタッフと向き合いました。向き合ったことによって、お店に変化が起きました。
 私はいま、クローズという経験によって、もう二度とスタッフの悲しむ顔は見たくない、そんな思いから、自分のお店だけでなく、松川商事全体として、助け合い、利益を出し続けていきたいという気持ちでいます。そのために仲間への感謝の気持ちを忘れず、スタッフが今の仕事にやりがいを持ち続けられる環境を作り続けます。そして、次の目標に向けて、一歩一歩進んでいきます。
   


滋賀五個荘店でスタッフとの間に溝ができ苦しかったとき、それでも原田店長をその場に踏みとどめていたものは?
2つあります。1つ目は、そこのスタッフを裏切りたくなかった。笑顔で接してくれたスタッフさんもいたし、自分の非をきちっと指摘してくれたスタッフさんもいたから裏切れないという思いがありました。2つ目は、自分自身の負けになるという思い。ここで逃げたら、この先逃げ続ける人生になると思ったので踏みとどまりました。


今、原田店長にとってやりがいのある仕事とは?
今までは、スタッフとともにお店をつくっていくことにやりがいを感じていましたが、今感じてるのはもっと大きいことで、会社全体として自分がどう貢献できるかということ。オープン立ち上げ準備とか色々な場面に参加させていただいたとき、自分の経験を伝え、それを生かしてもらったとき、自分自身のモチベーションにつながります。
 
 大変素晴らしい内容の発表でした。先ほどの高砂(の発表)に対する答えが、全部入っていたね。滋賀のこと、よく覚えています。出勤するのが怖かった。嫌だよね。何とかお店に行って、スタッフに謝罪もしたけど、冷ややかな空気。「今辞めたら楽になるかもしれない」。
ここが一つの分岐点。先ほどの質疑応答で、あなたはこの質問に答えた。そう。辞めるという選択肢は全然悪くないけど、それが自分の潜在意識に入り込んでしまう。あなたはそこで踏みとどまった。でも、そんな辛い苦しいのを救ってくれたのもスタッフさんだった。あなたの考えがスパッと変わったから、受け入れてくれたんだね。
計画達成して喜んでいるスタッフの姿を見て、裏切っちゃいけないという強い気持ちが湧いてきた。ここが重要な心の変化。残念ながら滋賀がクローズすることになって、クローズというものを経験してる人は少ないけれど、やっぱりいい勉強になるんです。全スタッフが最後の日までモチベーションを下げることなく一生懸命やってくれた。
そんなスタッフに感謝することは、当然なことだよね。あの時に逃げていたら、これは味わえない。退路を断たれたことによって、はじめてスタッフと向き合った。逃げ道がないとわかったら、前に行くしかない。スタッフに願望を伝え続けることによって、願望がスタッフの目標になった。どれひとつとってみても、スタッフの力がなければ、何ひとつ成しえたことはなかった。当然だね。その通り。怖がりでビビリで、そんなあなたが経験で、あなたの中で働く動機が変化した。最初の動機は誰かのためじゃなく、自分のためだけに働いていた利己のあなた。それが、いろんな人の思いを背負うことで強い責任感が生まれ、利己から利他に変わった。大変素晴らしい発表をありがとうございました。

 先日、テレビを観ていたら、ある経営者の方が、孔子の論語のなかの「恕」という言葉を事業のよりどころにしていると話されていました。「人からされたくないことは、自分も人にはしない」という意味だそうです。私もわが身を振り返り、これまでいろいろな人たちに嫌な思いをさせてきたのだと反省しました。知らず知らずのうちに、人間は傲慢になりがちです。2000年も前の言葉ですが、今も「恕」の心は生きていくうえ、経営していくうえで大切な心であると思います。
 私たちはこれからも、「6つの精進」「フィロソフィ」を日々勉強し、それを店舗で仲間と共有し、強い店舗、会社を作り上げていかねばなりません。明日もフィロソフィ活学講座がありますが、勉強したことを自分ひとりのものにしてはいけません。必ず店舗で共有してください。結果はおのずとついてきます。